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機械学習の主な種類

機械学習は、その学習方法によって大きく3つの種類に分類されます。それぞれの特徴と代表的な使いみちを見ていきましょう。

1. 教師あり学習 (Supervised Learning)

教師あり学習は、**正解データ(ラベル)**が与えられたデータセットを使って学習する方法です。入力データとそれに対応する正解のペアを大量に学習することで、未知のデータに対する予測モデルを構築します。

例えるなら、問題と答えがセットになった問題集を繰り返し解いて、新しい問題に答えられるようにする学習方法です。

タイタニック号の生存者予測は、この教師あり学習の典型的な例です。乗客の年齢、性別、客室の等級といったデータ(入力)と、その乗客が生存したか死亡したかという情報(正解ラベル)を学習し、まだ結果がわからない乗客の生存確率を予測します。

主なタスク:

  • 分類 (Classification): データを予め定義されたカテゴリに分類します。(例: スパムメール判定、画像に写っている動物の種類の特定、顧客が購入するかどうかの予測)
  • 回帰 (Regression): データから連続する数値を予測します。(例: 株価予測、不動産価格の予測、気温の予測)

2. 教師なし学習 (Unsupervised Learning)

教師なし学習は、正解データ(ラベル)が与えられないデータセットを使って学習する方法です。データそのものの構造、パターン、関係性を見つけ出すことを目的とします。

例えるなら、答えのない問題集から、問題の傾向やグループ分けを自分なりに見つけ出すようなアプローチです。

主なタスク:

  • クラスタリング (Clustering): 似た者同士のデータをグループにまとめます。(例: 顧客セグメンテーション、遺伝子のパターン分析)
  • 次元削減 (Dimensionality Reduction): データの重要な特徴は維持しつつ、情報の量を削減します。(例: データ可視化、特徴抽出)
  • アソシエーション分析 (Association Analysis): データの中から「Aが起きればBも起きやすい」といった関連性を見つけ出します。(例: 「おむつとビール」のバスケット分析)

3. 強化学習 (Reinforcement Learning)

強化学習は、ある環境の中でエージェント(学習する主体)が試行錯誤を繰り返しながら、報酬 (Reward) を最大化するような行動 (Action) を学習する方法です。

犬のしつけに似ています。エージェントが良い行動をとれば「報酬」としておやつを与え、悪い行動をとれば報酬を与えない(あるいは罰を与える)ことで、望ましい行動を学習させていきます。

主なタスク:

  • ゲームAI: 囲碁や将棋、ビデオゲームなどで人間に勝利するAIの開発
  • ロボット制御: ロボットが歩いたり、物をつかんだりする動作の最適化
  • 自動運転: 交通状況に応じて最適な運転操作を判断する

タイタニックの問題では、主に教師あり学習分類タスクに取り組みます。次のセクションでは、教師あり学習の流れをもう少し詳しく見ていきましょう。